Select Language

人民元、対ドルで2年半ぶりの高値水準

人民元、対ドルで2年半ぶりの高値水準

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:31
人民元、対ドルで2年半ぶりの高値水準

update 2021.08.31 15:31

人民元の対ドル基準値は2005年以来で最も元高水準

1月4日序盤の上海外国為替市場において、人民元が対ドルで2年半ぶりの高値水準に達した。[1]

中国人民銀行(People's Bank of China)【以下、PBoCと称す】が人民元の対ドル基準値を2005年の為替制度改革以降で最も元高水準に設定したことにより、人民元が大きく上昇した。PBoCは元高を容認することで、同通貨がグローバルFX市場において重要な役割を果たすことを目指している模様だ。また、元高につられる形でその他のアジア通貨が買われた他、オーストラリアドルなどのリスク通貨も軒並み上昇した。

新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチン開発が進行しているものの、欧州各国で過去最多の新規感染者が報告されていることに加え、イングランドなどの複数地域でロックダウンを開始していることが、市場センチメントを悪化させている状況だ。このような外部環境を受け、欧州株式市場は各年の取引初日で比較すると、2021年は2016年以来で最も大幅に下落しており、足元の景気回復が不安定なものになっているとうかがえる。一方で、業種別の株価上昇率に目を転じると、エネルギーセクターが大きく上昇した。石油輸出国機構(Organization of the Petroleum Exporting Countries)【以下、OPECと称す】と非OPEC主要産油国で構成されるOPECプラスが、2月と3月の供給抑制で合意したことにより、原油市場とエネルギー株のボラティリティが高まると予想されているようだ。また、ロックダウンの実施が英国株式市場に与える影響は限定的なものとなっており、FTSE100は6,600ポイント前後で推移し、上昇基調が続いている。

米国では、ジョージア州で連邦議会上院の議席を争う決選投票の開票作業が始まった。バイデン次期大統領が上院で多数派を握ることができるか否か、市場でも注目が集まっている状況だ。コロナショックをきっかけにグローバルFX市場が大きく動いた2020年のように、2021年も市場のボラティリティが高まることを期待したい。

release date 2021.01.07

出典元:

ニュースコメント

更なる上昇が見込まれる人民元

2016年、国際通貨基金(IMF)が加盟国の準備資産を補完する手段として定めた特別引出権(SDR)に人民元を組み入れたことにより、同通貨の信用度が高まっている。また、グローバル各国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く一方、中国はいち早く終息に向かっている状況だ。同国経済が相対的に堅調なものとなる中、中国政府は2021年のGDP成長率目標を8%前後とし、2020年からの急回復を目指す方針を打ち出す見通しである。更に、日本や欧州などでマイナス金利政策が導入される中、2020年12月時点における中国の1年物貸出基準金利は4.35%と、相対的に高い金利水準となっている。良好なファンダメンタルズに加え、PBoCが元高を容認する姿勢であることに鑑みると、引き続き人民元が上昇する可能性がある。他方で、同国が金融市場の開放を進める中、グローバルプレーヤーが虎視眈々と市場開拓を模索している状況だ。例えば、SGXにCICCシンガポールが加入し、中国と金融面の関係深化を図っている。また、バンガードが香港から撤退して中国本土に注力する方針を固めた他、野村証券の中国合弁がライセンスを取得し、アジア戦略の中核をなす総合証券会社を目指してソリューション開発を行っている。中国は2030年までに米国を抜いて世界一の経済大国に躍り出ると予想されており、引き続きグローバルFX市場において人民元のプレゼンス拡大に向けた動きを強めることが見込まれる。


Date

作成日

2021.01.07

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Exnessで10月に2度もサーバーダウン!?SL設定のユーザーは損失補填

海外FX業者のExnessで、10月に2度のサーバーダウンが発生しています。一連のトラブルが原因で、損失を被ったユーザーも少なくないようです。本記事では、報告されている不具合やExnessが実施した補償などについて説明します。
update2025.10.30 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

FXGT破綻の噂がSNSで再浮上、CEOは「完全なデマ」と否定

海外FX業者のFXGT(エフエックスジーティー)が「経営破綻の危機にある」との噂が一部で広がっています。噂が流れているのは主にX(旧Twitter)で、FXGT公式はこれを否定しています。当サイトではFXGTにこれらの噂について、事実確認を行いました。
update2025.11.04 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル