Select Language

グローバル投資家は依然として貿易問題を懸念

グローバル投資家は依然として貿易問題を懸念

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
グローバル投資家は依然として貿易問題を懸念

update 2021.08.31 15:29

投資機会は中国や韓国、台湾、日本といった東アジアに

1月15日、米中両国が貿易交渉を巡る第一段階の合意[1]に達したものの、グローバル投資家は、依然として貿易問題に関して懸念を抱いている模様だ。

HSBCグローバル・アセット・マネジメントのグローバルチーフストラテジストであるJoseph Little氏は、貿易問題に絡む国際間の緊張は完全には解消されていないという。米国と他の世界貿易機関(World Trade Organization, WTO)加盟国が対立し、貿易環境が安定的でないことから、投資家にとってはリスク要因になっているとのことである。

貿易だけでなく、政治、経済、環境などを巡る行先の不透明感は、様々な金融商品の収益性を限定的なものとしている模様だ。Little氏は、今後グローバル経済が一体となって成長し、証券市場が高い収益性を上げることに確信を持つのは難しいという。2020年の米国株式市場は、6%から7%の成長を見込んでいる。アセットアロケーションを担う同氏は、PER(株価収益率)などの株式取引動向を重視しておらず、足元の収益機会に注目しているとのことだ。仮に債券を主体とするポートフォリオで、4%から5%を超える収益を上げられるのであれば、現在のマクロ環境や投資環境を鑑みると、さほど悪くない投資機会だという。

米国以外に目を向けると、Little氏は製造や貿易指標のいくつかに改善が見られることから、米国の多国籍企業に恩恵があると指摘している。特に、中国や韓国、台湾、日本といった東アジアに投資機会があると見込んでおり、同エリアへ出張した際、投資家は警戒感を持っているものの、相対的なバリュエーションはかなり割安に見えるという。一方で、過去2年間高い収益性を誇った債券に関しては、多くの債券関連商品のバリュエーションが毀損していることから、慎重な姿勢を示している。足元のインフレ指標が示す通り、物価の上昇圧力は強まっておらず、インフレリスクは市場で大きな懸念材料になっていないとのことだ。投資家にとって、今後物価が上昇し、国債金利が高まる状況下において、如何に対応するかが課題だとコメントしている。尚、Little氏はコモディティに関して、金がヘッジ目的として懐疑的だとする一方で、スポット価格が先物価格よりも高くなる逆日歩の状態である原油に関しては、バリュエーション面のサポートとグローバル経済への高い感応度から、強気の姿勢を示している。米中貿易交渉に進展が見られたものの、依然として米国とグローバル各国との貿易摩擦は、完全には解消されていないことから、引き続き貿易面の軋轢からFX市場のボラティリティが高まる場面が見られそうだ。

release date 2020.01.17

出典元:

ニュースコメント

海外FXブローカーからの注目が集まる東アジア市場

グローバル経済において、相対的に高い成長が期待されている東アジア市場では、多くの海外FXブローカーがサービス強化を図っている。たとえば、野村證券の中国合弁はライセンスを取得し、同国でブローカレッジサービスを始めとする包括的な金融サービスを提供していく意向だ。中国に関しては、上海・ロンドンストックコネクトが開始されたことで、英中両国間のクロスボーダー投資も活性化している状況だ。また、Admiral MarketsがMT5上で日本株取引を開始するなど、日本市場をターゲットにしたサービス展開を図る海外FXブローカーも散見されている。グローバル顧客獲得競争が熾烈を極めるなか、各海外FXブローカーは、多様な顧客ニーズを包括的に満たすべく、マルチアセットクラスの商品ラインナップ体制の構築を推し進めている。このような市場環境下において、投資家需要があり、尚且つ高い収益性を期待できる東アジア市場をターゲットとした商品拡充や新たなソリューションの提供が続くと予想される。


Date

作成日

2020.01.17

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

Exnessの出金方法から銀行振込が消えた!復旧の見通し立たず代替手段への切り替え必須か

2025年8月、海外FX業者のExnessの出金ページから国内銀行振込が削除されました。サポートは「復旧時期は未定」としており、今後は完全に銀行振込が使えなくなる可能性もあります。銀行振込でしか出金したことがない方は、代わりの決済方法を用意する必要があります。
update2025.08.06 19:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00
口座開設で15,000円のボーナス 口座開設で15,000円のボーナス

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル