Select Language

ビッサムが機関投資家向けのOTCサービスを開始

ビッサムが機関投資家向けのOTCサービスを開始

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
ビッサムが機関投資家向けのOTCサービスを開始

update 2021.08.31 15:27

流動性や価格面で大口顧客に優位性をもたらす

韓国の大手取引所であるBithumb【以下、ビッサムと称す】は、機関投資家向けのOTC(店頭取引)サービスを開始したことを今月7日のプレスリリースによる発表で明らかにした。[1]

今回の発表によると、ビッサムの新しいOTCサービスは、Ortusというブランドで、香港に本社を置くBithumb Globalの子会社として運営され、ロンドンや香港、東京、シドニー、ブエノスアイレスにオフィスを構える。大口取引の執行を可能とする専用プラットフォームでは、KYC(顧客確認)やAML(マネーロンダリング対策)などの厳しいプロセスを経て、安全性の高いサービス環境が実現することが期待されている。今のところ、ビッサムは、Ortusでのサービスが、ビットコイン(Bitcoin)のみの取り扱いとなるのか、他のアルトコインも取り扱い対象となるのか等詳細については明かしていない。

これまでの仮想通貨業界に関して、ビッサムのディレクターであるRahul Khanna氏は、マーケットメイカー(市場に流動性を提供する機関)やインターディーラーブローカー(銀行や証券会社などにサービスを提供する専門仲介業者)などの金融機関が抱える大口需要に応えられる有力なソリューションが存在していなかったことを指摘している。こういった需要に対して、Ortusでは、流動性を確保した価格競争力が高い取引サービスの提供を可能とし、利用者にとっても恩恵をもたらすことが予想されるという。更にビッサムは、Ortusのプラットフォームで、金融機関向けに仮想通貨資産管理業務を代行するカストディアンサービスや米国内にある銀行からの送金サービスなど、関連サービスの提供を計画しているという。

最近、OTCサービスの開始に踏み切ったのはビッサムだけではなく、業界の各大手取引所も機関投資家をターゲットに据えた同様のサービス展開を試みており、先月には、米国に拠点を置く大手取引所のBitrexが、200種類もの仮想通貨を対象としたOTCプラットフォームの立ち上げを行なった。その他にも、コインベース 、バイナンス、サークルなどが機関投資家向け市場の参入を果たしたことに加えて、取引所以外にも、米国ブローカー企業のNukkleus Capitalなど既存の金融機関も仮想通貨のOTC取引サービスを開始していることにより、市場での競争が激化しているようだ。

release date 2019.02.11

出典元:

ニュースコメント

ここ1年で10倍に成長した仮想通貨のOTC市場

機関投資家の仮想通貨市場参入の流れを受け、OTCの需要が拡大している。特に米国市場では、前述のコインベースやBitrexに加えて、先日、数百万ドル規模の企業買収で自社のOTC関連サービスを強化したことが伝えられたKrakenなどの同分野への進出が報じられた。ロイター通信の報道によると、仮想通貨を対象としたOTCサービスにおける取引高は、ここ1年で約10倍となる規模におよぶ成長を見せ、取引所によっては、日間取引量が8,000万ドルから1億ドルにのぼるところもあるという。OTCサービスの好調は、米国市場が牽引していることは間違い無いのだが、中国市場の貢献度も高く、国内での仮想通貨取引が禁止された直後から、OTCによる仮想通貨取引が市場シェアの20%を占めるようになっている。OTCのような取引所を介さない直接的な取引の流行は、個人の投資行動にまで影響を及ぼしており、割高な手数料や不安が残るセキュリティを嫌ってか、あるいは、当局の規制を逃れる手段として、利用が増加しているようだ。このOTCの流れは最近始まったばかりだが、市場の成長を加速させるソリューションとして今後の展開にも注目していきたい。


Date

作成日

2019.02.11

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

トレードなしで参加OK!FXON「Switch2争奪キャンペーン」第2弾がスタート

海外FX業者のFXONで「Nintendo Switch2争奪キャンペーン」の第2弾が開催中です。条件をクリアすると最大3口まで抽選権利を獲得できます。期間中は3回の抽選が実施されるため、落選しても条件をクリアすれば再び抽選に参加できます。
update2025.08.19 19:00

FXONのビットコインスプレッドはどこまで有利か?使ってみて分かった実力

2025年1月から本格的にサービスを開始したFXONでは、BTCUSDが大幅ダウンしています。その数値は12.9pipsと、Exnessのようなスプレッドが優秀な業者と比べても業界最安水準です。本記事では、FXONのスプレッドが本当に狭いのかを他社と比較、どれだけお得に取引できるのか検証してみました。
update2025.08.22 19:00

Exnessのスワップフリーが突然解除?!条件をサポートに直接聞いてみた

「Exnessのスワップフリーが解除された」という投稿がSNSの一部で話題になっていますが、解除の具体的な条件は公式サイトにも掲載されていません。そこで当サイトではサポートに直接条件を質問してみました。
update2025.08.25 19:00

【15,000円付与】FXON口座開設ボーナスキャンペーン

海外FX業者のFXONが口座開設ボーナスタイアップキャンペーンを開催中です。新規口座を開設すると15,000円分のボーナスを受け取れます。
update2025.08.26 19:00

日本円ステーブルコインJPYCが発行へ!海外FXの入出金に活用できるか

2025年8月、金融庁が日本円ステーブルコインJPYCを承認しました。海外FXユーザーの中には、海外FXの入出金にJPYCを活用できるのでは?と期待している方もいるのではないでしょうか。本記事では、海外FX入出金でのJPYCの活用例や今後の展望などを考察します。
update2025.08.28 19:00

ExnessがIB報酬を改定!収益が減少するIBパートナーは?

海外FX業者のExnessが、スタンダード・セント・プロ口座のIB報酬の算定方法を改定しました。具体的な計算例を交えながら、どのようなケースで報酬が減少し、どんなケースで増加するのかご紹介します。
update2025.08.29 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

XMのビットコインスプレッドはExnessの2倍広い!それでも「ナシ」ではない理由とは?

Myforex編集部では、2025年1月10日〜4月10日の3ヶ月間にわたり、XMTradingにおけるビットコインのスプレッドを独自調査。その結果、狭い業者と比べて2倍以上の差があることが分かりました。
update2025.09.05 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル