Select Language

ブローカー各社、ブレグジット議会採決に備えレバレッジ低減

ブローカー各社、ブレグジット議会採決に備えレバレッジ低減

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.07.14 13:20
ブローカー各社、ブレグジット議会採決に備えレバレッジ低減

update 2022.07.14 13:20

安心・安全な取引環境を提供すべく追加対応策を模索

ブレグジット(英国のEUからの離脱)議会採決に備え、ブローカー各社は対応策を模索している。デンマーク拠点の投資銀行Saxo Bank Group(本社:Philip Heymans Alle 15, 2900, Hellerup, Denmark[1])の日本法人としてFX・CFDサービスを提供するサクソバンク証券と、英国・ロンドンを拠点とするリテールブローカーであるFxPro(本社:13/14 Basinghall Street, City of London, EC2V 5BQ[2])は12月10日、ブレグジットの影響を考慮し、英ポンドの証拠金率の変更を行うと共に、状況次第で新規ポジションを持たせない措置を講じる意向であることを発表した。

また、両社に先立つ形で、12月7日にはスイス・ジュネーブを拠点とし、銀行業やFXブローカー事業を行うDukascopy Bank SA(本社:ICC, Entrance H, Route de Pré- Bois 20, 1215 Geneva 15, Switzerland[3])【以下、デューカスコピー】は、ブレグジット関連のニュースヘッドラインによる相場の急変動を考慮し、同社が取り扱う英国株式インデックス、ブレント原油先物、軽油先物取引の最大レバレッジを30倍に制限する意向を示していた。このレバレッジ制限に関しては、ブレグジット動向によるボラティリティ の高まりが完全に収まるまで続ける予定であるとのことだ。

サクソバンク証券もデューカスコピーに追随する形で、法人口座のポンド証拠金率の変更を行い、主要ポンド通貨ペアの全てに関して証拠金率を2.5%から4%(最大レバレッジを40倍から25倍)に変更した。[4]この証拠金率の変更は現在保有するポンド通貨ペアポジションにも適用され、状況によっては追加証拠金が求められたり、ロスカットが生じたりする可能性が出てくるとのことだ。FxProも、12月10日10時より欧州関連のインデックス取引の証拠金率を2%に変更を行っている。また、向こう数日にブレグジット関連のニュースヘッドラインによりスプレッドが大きく開くことが見込まれ、状況次第では顧客に新規ポジションを建てさせない方針であるようだ。

ブローカー各社では、仮に英議会で行われる英国のEU離脱案が否決された影響を低減させるべく、向こう24時間以内に追加の対応策が打ち出される見通しである。2016年6月に実施されたブレグジットを問う国民投票の際には、市場の流動性が枯渇したことから、顧客がトレードを安心・安全に行えるよう、ブローカー各社は今まさにその対応に迫られていると言えよう。現段階では、メイ首相の声明により議会の延期が表明されたが、議会採決の具体的な日程に関しては今後詰めていくとしている。[5]合意なき離脱に準備する必要性が高まってきており、引き続きポンド相場は予断を許さない展開となりそうだ。

release date 2018.12.11

出典元:

ニュースコメント

ブレグジットが為替に与える影響

ブレグジット(Brexit)とは、Britain(英国)とExit(退出)を組み合わせた造語であるが、背景として、移民の急増が大きな要因として挙げられている。英国はEU内ではドイツと並び経済が発展しており、移民への支援体制も充実しているため、英国への移民が増加していた。EU加盟国は移民の受け入れを拒否することができないが、その費用は税金による負担となっており、人口増による家賃の上昇、文化の違い、移民に職を奪われるなどの様々な不満も高まり、2016年6月の国民投票の結果、離脱支持が51.9%と半数以上を占めた。2017年3月にテレーザ・メイ政権は、正式にEU離脱する意思を通告し、2019年3月に英国はEUから離脱する見込みとなっている。しかし、このブレグジット問題は、ポンドやユーロ下落など、世界中の為替相場に影響をもたらしており、英ポンド関連通貨ペアは勿論、他の通貨ペアにも多大な影響を与える恐れがある。また、市場のボラティリティーが著しく変化し、スプレッドの広がりや急激な価格の変動も予想されるため、多くのブローカーが警戒を呼び掛けている。ブレグジット議会採決は延期となったが、英国は全世界に影響を与える大国であり、ブレグジットの行方や為替への影響に当分目を離すことができない。


Date

作成日

2018.12.11

Update

最終更新

2022.07.14

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

Exnessの出金方法から銀行振込が一時削除!?現在は復旧も今後は代替手段の検討が必要か

2025年8月、Exnessの出金方法から一時的に国内銀行振込が削除され、オンラインウォレットと仮想通貨のみ利用可能な状態となりました。現在は復旧していますが、今後のトラブルに備えて、代わりの決済方法の準備を検討するのが望ましい状況です。
update2025.08.06 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

ThreeTrader・Vantageが消えた?偽アカウントによる詐欺に注意

ThreeTraderやVantageのX(旧Twitter)公式アカウントに表示制限がかけられていることが確認されました。本記事では海外FX業者のアカウントが制限された背景や、こうした状況で注意すべき偽アカウント詐欺について説明します。
update2025.07.04 19:00
口座開設で15,000円のボーナス 口座開設で15,000円のボーナス

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル