Select Language

G20が仮想通貨規制に関する共同声明を発表

G20が仮想通貨規制に関する共同声明を発表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
G20が仮想通貨規制に関する共同声明を発表

update 2021.08.31 15:27

世界基準の規制でテクノロジーの利用拡大に期待

今月1日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催された首脳会議で、G20各国のリーダー達は、公平で持続可能な開発を促すことを目的に、仮想通貨に関する規制について共同声明を発表した。

仮想通貨規制の議論にあたっては、3月に開催されたG20から行われており、7月開催のG20では、仮想通貨規制案の明確化を10月までに行うようFATF(Financial Actio Task Force)【以下、FATFと称す】に要請していた。この共同声明では、経済成長を推進するにあたり、金融システムが公に開示されることは非常に重要であると言及しており、あわせて仮想通貨などの新しいテクノロジーを対象にした世界基準での規制の必要性にも触れている。

G20の首脳は、仮想通貨が生む新たなリスクと経済システムの脆弱性を回避するために、引き続き金融市場を監視する旨を伝え、それと同時に、断片化する世界の金融市場に対して、継続的な規制と監督によって問題解決に導く考えであることを示している。また、FATFが提出したマネーロンダリングやテロ資金供与防止に向けた取り組み関するレポートについて、G20は、FATFが設ける基準を遵守することも語られ、その他の点に関しては必要に応じて対応する構えだという。[1]G20は、仮想通貨を銀行を介さない柔軟性のある金融システムとして高く評価しており、運用リスクの回避を望む一方で、金融分野でのテクノロジーの利用が拡大することに期待を抱いているようだ。

この仮想通貨の流れは、G20加盟国の対応を促しているという。例えば、2月には、仮想通貨とトークンへの規制実施をG20内で議論するための文書がフランスとドイツの高官によって発行されており、3月には、仮想通貨の受け入れで先を行く日本が世界共通ルールの検討を提案している。7月には、G20各国の財務省と中央銀行が、仮想通貨の存在は金融市場の安定性を脅かすものではないと前置きした上で、FATFに対して仮想通貨にどのような規制を適応するのか明確にするよう要請している。

国際的な議論の場であるG20は、各国政府や中央銀行の代表によって構成され、重要な決定権を握っている。事実、加盟国の総人口は世界の66%を占めており、経済では世界の85%の生産性を享受、また国際貿易でも総額の75%に関与するなど影響力は大きい。それだけに、今後の展開には、業界や世界の注目が集まることが予想される。

release date 2018.12.3

出典元:

ニュースコメント

ルール統一の試みも上手くいかない現実

今まで仮想通貨の規制は、各国の規制当局を中心に個々の対応が行われてきたが、ここにきてG20などの世界的な機関での対応が検討され始めている。地域内の経済の依存性が高い欧州などでは、以前から欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority, ESMA)が規制をリードしており、10月には既存金融法の範囲内でESMAが仮想通貨を規制する考えを示している。しかし、実際には、仮想通貨に積極的なフランスやドイツ、また慎重な態度を示す英国やその他の国などとの温度差が大きく、あまり目立った前進は見られていないのが現状だ。今回のG20の声明では、仮想通貨に対しての期待が伺えるため、新しいテクノロジーや仮想通貨の可能性を支持する国にとっては朗報となったことだろう。それでも、仮想通貨にとって保守的な政策をとる国家との軋轢が生まれることは必至で、世界統一のルールを制定するためには、テクノロジーの浸透とコンセンサスを形成することが求められる。


Date

作成日

2018.12.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

Exnessの出金方法から銀行振込が一時削除!?現在は復旧も今後は代替手段の検討が必要か

2025年8月、Exnessの出金方法から一時的に国内銀行振込が削除され、オンラインウォレットと仮想通貨のみ利用可能な状態となりました。現在は復旧していますが、今後のトラブルに備えて、代わりの決済方法の準備を検討するのが望ましい状況です。
update2025.08.06 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

ThreeTrader・Vantageが消えた?偽アカウントによる詐欺に注意

ThreeTraderやVantageのX(旧Twitter)公式アカウントに表示制限がかけられていることが確認されました。本記事では海外FX業者のアカウントが制限された背景や、こうした状況で注意すべき偽アカウント詐欺について説明します。
update2025.07.04 19:00
口座開設で15,000円のボーナス 口座開設で15,000円のボーナス

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル