カナダ規制当局、バイナリーオプションを全面禁止

カナダ証券管理局（The Canadian Securities Administrators）【以下、CSAと称す】は、今後、バイナリーオプションを正式に禁止することを表明した。禁止が施行される日程は明らかにされていないものの、施行後は、バイナリーオプションの広告、提供、販売、取引が全面禁止される。

CSAは、2016年にバイナリーオプションの不正行為に積極的に取り組むための組織として、タスクフォース部門を設置しており、今年の初めにバイナリーオプションを正式に禁止する意向を示していた。これまでCSAには、バイナリーオプション業者を取り締まることができる権限が無く、投資家保護を目的に、バイナリーオプション取引の詐欺について注意喚起や警告を行うものの、事実上は野放し状態であった。しかし、多くのカナダ人が、カナダ国内における無登録のバイナリーオプション業者のサービスを利用し、その結果詐欺に遭い多額の資金を失うという被害が急増したことから、今回のバイナリーオプション禁止措置が取られたと考えられる。

CSAは、今回のバイナリーオプション全面禁止について以下のようにコメントしている。

この度の禁止は、CSAをバイナリーオプション詐欺と戦う世界のリーダー的存在に位置づけ、カナダ人を詐欺から保護するための重要なステップであると考えます。バイナリーオプションのリスク特性と取引の違法において、個人に対しては不適切な商品であることが明確であると言えます。

CSA official statement

また、CSAの議長でありフランス金融市場庁（Autorité des marchés financiers）のCEOであるLouis Morisset氏、さらに、前述のタスクフォースの議長を務め、カナダ地方規制当局の一つのマニトバ証券委員会のシニア調査官でもあるJason Roy氏は、それぞれ以下のように述べている。

バイナリーオプションは、今日カナダ人が直面している大きな問題であり、この類の詐欺は個人に対し莫大な被害をもたらします。

Louis Morisset, Chair of the CSA and President and Chief Executive Officer of the Autorité des marchés financiers

我々の任務は、カナダ人を詐欺から守るためのあらゆる手段を見つけることから始まりました。詐欺業者が計画を実行するための拠り所とするクレジットカード会社や、テクノロジー企業、広告主と協力し、バイナリーオプションを全面禁止することで、詐欺被害の撲滅へと繋がるでしょう。

Jason Roy, the Task Force's Chair and Senior Investigator with the Manitoba Securities Commission

release date 2017.09.28